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ベストセラーになるビジネス本は、苦労話もさることながら、ほぼ間違いなくサクセスストーリーで構成されていて、そこには結局「成功例」しか書いてありません。でも本当に大事なのは「失敗例」の方だと私は思います。「どうして彼は(私は)失敗したのか」「何故うまくいかなかったのか」自分の例でも他人の例でも「失敗例」を知ることによって、一度立ち止まり、それまでの自分を振り返り、最終的には前に進めるような気がします。 私の恥ずべき「失敗例」を一つご紹介しましょう。 |
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実はこれに至るまでは伏線があります。 ベルブラススネアの楽器紹介でもお話した通り、私は「スネアから耳障りな音が出ている」と指摘されると、ミュートを使って誤魔化したりしていました。今から思うと「耳障りな音」の原因は、セット全体のチューニングのズレからきていたものかもしれません、もしかしたらスネアそのものの問題じゃなかったかもしれませんが、ミュートをかますと「それなり」な感じな音になるので、当時リングミュートも幅広のものを使い、ガムテープとティッシュでそこら中にベタベタとやっていた憶えがあります。 次に「音が小さい」「スネアの音が聞こえない」と言われます。そりゃそうです。何しろ「ミュート(消音)」してるんだから。しかしベタな私はその原因を追及せず「何とかそのまま音量を大きくする事」で乗りきろうとしました。具体的にはスティックをレギュラーチップのモデルから音量が稼げるボールチップのものに変更し、また「力を入れて思いっきり叩く」という単純な荒技です。 私はどのバンドに行っても音がデカイと言われていたので、かなり意地になっていた部分は少なからずあります。 驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、当時スネアのヘッドは1週間に一度は換えていました。理由は単純「1週間でダメになってしまっていた」からです。ボールチップに換えてからというもの、ヘッドはすぐにベコベコに凹んでしまい、酷い時にはワンステージでオシャカです。そこで次に行ったことは「ヘッドを厚めのものに変更する」というこれまたベタな対処方法でした。少なくとも薄めのヘッドと比較すれば耐久性は上がります。また厚めのヘッドは比較的アタック音が強くなるので、音が大きくなったような感じがします。 |
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そして私は常に「強く叩かなきゃ」と思い続け、その結果としてスネアを叩く瞬間に「マッチドグリップの左手」に思いきりテンションが掛かるクセが付いたのです。だからタイミングが(叩いている私ですら気付かない程度に)一瞬遅れる。彼はそれを私に指摘したのです。 そういえば心当たりは色々あります。
実はこれらに気付いたのはごく最近の事です。 |
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それにしても、そんなムリをしてその間に「よく腕を壊さなかった」ものです。まだドラムが続けられている事を、丈夫な身体を与えてくれた両親と神様に感謝しなきゃですね。 | |||
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