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このように、一見いい加減に造られているような印象を持つこのドラムから、何故これほどの「極上のサウンド」が出るのか本当に不思議です。
ドラムのシェルの役割はいくつかありますが、その一つにヘッドを支持する(支える)役割というものがあります。シェルのボディに取り付けてある、ボルトの穴を切った「ラグ」というパーツに、上下のフープをボルトで締めて、ヘッドを「張る」のがドラムです。ラグは宙に浮いているわけではなく、フリーフローティングというタイプを除けば、だいたいがシェルに直に取り付けられているので、小さければ小さいほど、また少なければ少ないほど、シェルに接触している面積も少なくなり、結果としてシェルの「鳴り」を邪魔しなくなるようです。ラグの数はそのドラムの設計思想である「テンション数」によって変化します。一般的にスネアドラムでは、8テンション(片面を8つのボルトで締める)なら(パーツが少ないから)より「シェルが鳴る」オープンなサウンドを狙った設計、10テンション(片面を10のボルトで締める)なら(張りの力が分散されるので)より「正確なチューニング」をおこなう事を意識した設計といえます。 マメ知識 実際のラグの数は、10テンションなら10個、もしくは上下あわせて20個になります。木胴でも浅胴4インチ以下のスネア、あるいはほとんどの金属胴スネアの場合は上下を共有するので10個。木胴5インチ以上になると、多くの場合上下は独立しているので20個は必要になります。(以下の写真を参照) 右側のスネアはラグの数が上下20個になりますが、ラグが小振りで、フリーなシェルの面積を増やす設計になっています。メーカーによっては深胴でも思いきり大きなラグが、上から下まで柱のようにシェルに張り付いているものもあります。そういうタイプのドラムはシェルの「鳴り」を多少損ねてしまいますが、大きなラグが付く分だけ、強くしっかりとしたシェルが出来上がります。これもメーカーの考え方の違いや、設計思想によって決まるようです。要するに「シェルを鳴らす為の設計」なのか、「強くシェルがしっかりとヘッドを支える為の設計」なのか・・・という事ですね。
現在、ある知り合いのドラマーから、同じモデルの「通常ラグ」仕様LB400B(写真右)を借りています。「調子を見てあげるよ」などと言いつつ、本当は比較したかったので借りました(笑)チューニングして、同じピッチに合わせましたが、同じラディックとしての傾向はあるものの、ビックリするくらい、かなり音色が異なり、ラグの形状はかなり音に影響を与えているのだと知りました。どっちが好きかと言われたらチューブラグが最高!と答えます。確かチューブラグ仕様は数千円高いはずですが、絶対に損はしません!ご購入の際は是非ご検討を。 Ludwig ホームページはこちら http://www.ludwig-drums.com/ |
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